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この『少年の船』のふじ丸には、団員502名、講師、リーダー、事務局員、その他スタッフなどが60名、乗組員129名の、合計691名が乗船しています。
班長
団員は中学1年生から高校3年生まで6歳の差があります。各組は3班編成になっており、その班の最年長者が班長さんにあたります。これは事前に連絡があるわけではなく、名簿を見て初めて知るわけです。
リーダーの補佐役も務めなくてはいけない班長さん。毎晩9時からの班長会議に出席して、団員たちへの伝達事項や翌日のスケジュールの変更などを聞きます。自ら志願したわけでもないのに班長さんは大変なんです。
点呼
朝のつどいに始まり、夜寝る前まで、集まるたびにしなければならないのが「点呼」。人員数のチェックをすると共に団員の健康状態を見ることにもなるわけです。
午後9時30分からの夜の点呼は、全員廊下に整列して班長さんの号令で点呼をとり、それをリーダーに報告します。
その報告の仕方は「第1班、総員50名、事故ナシ、現在員別名。異常ありません」となりますが、時々「第1班、総員50名、事故1名、現在員49名。事故の1名は船酔いのため居室にて就寝中。異常ありません」となることもあるわけです。(写真A・B)
5分前
これだけ多くの団員がいるのですから当然すべてが団体行動です。団体行動には時間厳守が基本。この『少年の船』では、5分前に集合するように指導されます。ですから午前6時50分から始まる朝のつどいは、6時価分までにデッキに集合しなければなりません。
航行中は時々小さな島が見えるぐらいで、周りは360度広い海、今どの辺を走っているのかわかりません。朝のつどいの時に「午前6時現在、北緯何度何分、東経何度何分。日本からおよそ何キロ」とふじ丸の位置を知らせてくれます。また、船内ロビーには電飾の掲示板があり、およそどの辺を走っているのか掲示してあります。
(写真L)
BGM
船内の行動はすべて音楽で知らされます。
朝6時30分、部屋のスピーカーから「潮騒のメロディー」が静かに流れてきます。続いて、ユーミンの「やさしさにつつまれたなら」が流れ、ここでウトウトといい気分になっていると、突然となりのトトロの「散歩」、キテレツ大百科の「スイミン不足」がガーンと流れてきて、まあ普通の人なら3曲目で目が覚めます。毎朝この曲が流れてきますので3日目ぐらいになると「♪スイミン、スイミン、スイミン不足」と口ずさみながらデッキに向かいます。
この他に、食事の時は、「ミッキーマウスクラブマーチ」、研修は、「白雪姫のハイホー」、清掃の間はカーペンターズの「ジャンバラヤ」「ミスターポストマン」、そして消灯は関ゆみ子の「おやすみなさい」といった具合にBGMが毎回船内に流れます。
お口の恋人
船に乗れば心配なのが「船酔い」。
船酔いは病気じゃない、ただ気分が悪いだけ、というけれど気持ちが悪くて吐き気がするのは事実。そんな時お世話になるのがエチケット袋。一度手にするとなかなか手放せれなくなるため、ついた別名が「お口の恋人」。(写真C・指導員やリーダーも隠れて利用していた、との噂もありました)
船酔いの報告は1日目の夜の点呼時が10名。ところが翌朝は2名。昼間起きていると船酔いの気分になり、一夜寝ると治る。つまり船の揺れに慣れることがいかに大切かということ、もちろんサイパンに着く頃にはゼロ。
気分が悪いと食事をとらなくなるのがかえって良くないようで、少しでも食べておくと胃が動いて気分の悪さは早く治るようです。
エングストロームさんが両方の手首にリストバンドを着けていたのに気がつきましたか。聞くところによると、手首にある酔いを抑えるツボを刺激して船酔いにならないとか。さてその効き目をうかがったところ「お金の無駄遣いだった」そうです。
ふじ丸には横揺れを抑える長さ4メートルのフィンスタビライザーがついています。さすが外国航路を走る客船です。
『少年の船』に7名のちょっと年配の団員?ではありません。全国のB&G海洋センターから選ばれて所長研修でふじ丸に乗船しているのです。団員と別メニューで

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