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第7章 まとめ

 

本年度の研究・開発は、駅用エレベーターのかご室モデルの評価および開発エレベーターの仕様検討を行い、これに基づいた開発エレベーターの設計を行い、製作を開始した。
詳細については第2章から第6章に記載したとおりであるが、まとめとしては以下のとおりである。

 

(1)駅用エレベーター設備のかご室モデル評価
ア.平成7年度に試作したかご室モデルの評価
平成7年度に操作性、機能性を確認するため、かご室モデルを設計し、試作した。
平成8年度は、このかご室モデルの評価を実施した。試作の対象は、二方向に出入口を設けた、丸形(小)、丸形(大)、角形(小)、角形(大)の4タイプとし、かご室サイズ、操作盤、手すりを動かせるものとした。評価は車いす使用者、鉄道事業者、エレベーターメーカー、学識経験者等27名で行われた。

 

イ.評価の結果
主な評価の結果は次のとおりである。
a.かご室の広さは角形(大)は広すぎ、丸形(小)は狭い。
b.乗降のし易さは丸形(小)が他の3種と比較して多少評価が低い。
c.出入口の幅は全種とも同じ(0.9m)であるが、広いかご室の方が狭いかご室より、評価点が高い。
d.出入口の位置は丸形が角形より評価点が高い。
e.操作盤の取付け位置(平面位置)については、角形では操作盤を一箇所しか設置していなかったので、マイナス評価であった。
f.操作盤の下端が床面より0.87mであったが、高すぎるとの評価であった。
g.すぺての壁面に手すりが必要とのコメントがあった。
h.手すりの高さは床面より0.8mであったが、車いす使用者にとっては高いとのコメントがあった。

 

(2)開発エレベーターの仕様と製品構成
ア.基本仕様とその考え方
本委員会で開発する駅用エレベーターは、直角二方向出入口タイプとした。これはプラットホーム上、コンコースや跨線橋等の旅客の流動と平面スペースの制約を考慮したものであり、過去駅舎に設置実積がない。
その基本仕様の主な考え方は次のとおりである。
a.移動制約者の利用と健常者の利用を兼ねたものとする。
b.昇降路外法は駅のプラットホーム及びコンコースに余裕スペースが少ないため、最小の2.0m×2.0mとする。

 

 

 

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