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3.4.5 鉄骨パネル構造の問題点及び他材料の可能性

 

エレベーターシャフトを鉄骨パネルを用いて組み立てる場合、パネル構成材にブレース又は面剛性の高い仕上材を組み込むことにより、全体の剛性はかなり高いものとなる。駅前広場等に設置して自立することを要求される場合等は、出入口部の補強を有効に行うことにより問題は解決されるが(出入口部床には地震時でも安全なエクスパンション対策が必要)、建物に取付け、一体となる場合は注意を要する。建物の変形に追随できるだけのしなやかさが逆に要求されることになり、建物本体とのバランスをうまく保つ必要が生ずる。設置場所、条件に合わせた柔軟な設計が必要となる。又、建築基準法上エレベーターシャフトに防火区画の要求がある場合は、法的に満足できる材質で仕上げを行う必要がある。この場合は外法寸法が多少大きくなることは許容せざるを得ないので、設置場所により注意を要する所である。将来防火上の問題と強度の問題を同時に解決して精度の高いパネル構造を構成し得る材料は、CFRC(カーボン繊維強化コンクリート)と思われるが、型枠の問題もあり量産できるものでないと目下の現状としては実現性にはコスト上の障害が予想される。同時にかなり高剛性となることから、パネル接点でのディティールの工夫が必要となる。これは地下駅等での使用には大変有効と思われるが詳細は今後の課題としたい。

 

 

 

 

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