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3.2.2 開発エレベーターの駆動方式

 

角形かご室の直角二方向出入口方式で、基本仕様を実現するシステム構成を検討した。特に、昇降路外法を2m×2m以下とする為には、駆動方式の検討が最大の課題であった。
駆動方式には、かご室とつり合いおもりをロープにより組み合せ駆動するトラクション方式と、つり合いおもりのない巻胴式、油圧ジャッキによりかご室を駆動する油圧式、が考えられる。
各方式は、設置条件によりその特長を活かすことが可能であるが、開発エレベーターにおける角形かご室の直角二方向出入口と、昇降路スペース・機械室スペース等の基本仕様を満足する為には、かご室の形状を含め駆動方式を選択する必要がある。
昇降路・機械室の小スペース化の実現の為には、駆動方式として巻胴式が考えられる。巻胴式は、一般的につり合いおもりのあるトラクション方式に比べ、モータ出力と共に外形が大きくなることから、機械室への影響と消費電力の増加が懸念される。
この解決策として、図3−3に示すつり合いおもりを併用した巻胴式、すなわち、つり合いおもり付き巻胴式が考えられることから、かご室の形状を含めた実現可能性について検討した。

 

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つり合いおもり付き巻胴式は、つり合いおもりを設ける為、昇降路平面スペースに影響する。この対策としては、かご室の形状の工夫と昇降路壁厚の工夫(3.4節、昇降路の構造を参照)があり、特に、角形エレベーター昇降路平面図(図3−2)に示すように、直角二方向出入口のかご室形状を変形六角形にすることにより生じたスペースに、つり合いおもりを配置して小スペース化が可能となる。変形六角形のかご室は斜め壁部にかご操作盤を設置できるので、車いす使用者にとっても操作し易い位置となる。
以上の検討結果より、駆動方式にはつり合いおもり付き巻胴式を採用することとした。

 

3.2.3 開発エレベーターの据付図
3.2.1項及び3.2.2項で検討した結果の一例を、図3−4開発エレベーター据付図にまとめた。

 

 

 

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