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3)良好な視覚環境を形成するうえで留意すべき点として、
a.まぶしさを感じない照明方式を工夫すること。
b.まぶしさを感じない商業広告の掲出方法を工夫すること。
などが指摘できる。
4)その他視覚的な要素を総合的に調整する必要があることは、聴覚障害者のための留意点と共通している。
5)構内にある音を再点検して、音環境の総合的な秩序を回復する必要があることは、視覚障害者のための留意点と共通している。
6)駅の平面計画・空間計画がわかりやすく、立地的特性や単位空間の違いが体感できるように工夫されるべきことは、視覚障害者、聴覚障害者、車イス使用者のための留意点と共通している。

 

3. 人的な対応における留意点
1)視覚案内や音声案内の設備をよりよくし、環境を整えたとしても、身体的にも知的にも衰えを自覚して気おくれし、遠慮がちな高齢者が、もっとゆっくりと、ていねいにサービスを受けたいと願う気持ちを抱くことは、想像に難くない。
2)視覚障害者、聴覚障害者、車イス使用者への対応と同様に、案内を専門とする人的サービスについて検討することが求められる。

 

4. その他の留意点
1)他の大勢の利用者の迅速で適確な行動についていけない高齢者にとって、多くの事前情報を持つことができれば、駅を利用しやすくなるのは明らかである。
2)事前情報を提供するシステムを充実させることについて検討が求められる。
3)事前情報ツールの表現上の留意点として、軽度な視覚障害者への対応と同様に、
a.使用する文字を、一般印刷物より大きくする。
b.ピクトグラフを活用する。
c.図形表現のわかりやすさに留意する。
d.色彩対比に留意する。
などが考えられる。

 

6. 外国人への対応

6-1 情報受容の特徴
1.来訪外国人の概況
1)日本に在留する外国人登録者数はおよそ136万人で、また観光や業務などで年間に来訪する外客数はおよそ334万人という(平成7年)。

 

 

 

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