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3.高齢者(日本建築学会編:高齢者のための建築環境、p87、1994へ彰国社)

1)高齢者の視覚特性
○視覚の衰えは、人間の人体的成長の一般的なピークといわれる20歳代半ば頃から既に始まっているため、多くの場合、法律的には65歳をもって高齢者が定義されるが、こと視覚に関するかぎり、もう少し若い年代からの環境的な配慮が必要である(照明的には、遅くとも40歳代後半くらいから、高齢者の範疇に属する)。

 

○視力は、目の光学系が加齢により全般的に劣化するため、著しく低下する。視力低下の一般的な経過は、40〜50歳ぐらいから低下が始まり、60歳を超すと急激に低下する。70歳代では、20歳代における最高の視力の1/2まで低下する。また、この頃には、老人性白内障に陥ることも多く、視力低下の度合いはさらに大きくなる。一般に、近点視力は人間の目が順応している背景の輝度が高いほど向上する傾向があるが、この点に関しても、高齢者の場合ほど視力の向上効果は小さい。

 

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