日本財団 図書館


2. 聴覚障害者

1)聴覚障害者の聴覚特性(日本建築学会編:建築設計資料集成3集(1980)、p40、丸善)
○聴力は高年齢となるほど聞えにくくなるほか、各種の原因の聴覚障害や職業性難聴によっても聴力損失が起こる。正常耳の最小可聴域値からの、可聴域値の上昇量で聴力損失を表すが、一般に30dB程度以上の損失があれば話し声が聞き取りにくくなり、50dB以上の損失では著しく困難となる。聴覚障害の分類例を図1に示す。

 

085-1.gif

 

○聴力障害の状態を軽度とか中程度とかの表現ではなく、聴力損失値で表わせば、障害の状態は明確ではあるが、ききとりの困難さは、聴力障害の生じた時期や、言葉を理解するのには、その言葉を良く知っているかいないかで、難聴の程度が同じくらいであっても差が生じる。

 

○聴力障害には、伝音性のものと感音性のものとがある(大和田健次郎:難聴児の補聴訓練、p.17、1978、岩崎学術出版社)。
伝音性難聴 外から内耳に音を伝える伝音系の障害によるもので、伝音性難聴の特徴は、聴力損失が60dBをこえないことである。
感音性難聴 内耳の鍋牛から聴神経を通って上位の聴覚処理中枢に至るまでの間のどこかの障害によっておこる。さらに、感音性難聴は内耳に障害がある内耳性難聴と内耳は正常であるがそれより上位の障害を持つ後迷路性難聴とに分けられる。後迷路性難聴は、語音検査での明瞭度が悪いことに特徴がある。

 

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION