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第2章 情報伝達の基礎的条件に関する調査
第1節 人間の知覚特性に関する調査
 
この節では、建築学、人間工学等の文献から、人間の知覚特性についての資料を抜粋する。
 
1.視覚特性
 
1)視覚の重要性(日本建築学会編:高齢者のための建築環境、1994、p.84、彰国社)
○人間は、5官(目、耳、鼻、舌、皮膚の五つの感覚器官)により生体内外からの刺激を受け取りそれらに対して正しく反応することにより生命を維持し生活を遂行しているが、5感(視覚、触覚、臭覚、味覚、触覚)を通じて得られる情報のうち最大のものが視覚によるそれであり、量的には、視覚は全体の8割以上の情報を担当している。

 

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2)視力
○ものの見え方は人間の生理的・心理的特性と、もの自体とそれが置かれている環境特性とによって規定される。
前者の普遍的な尺度が視力である(日本建築学会編:建築設計資料集成3集(1980)、p.41、丸善)。
○視力とは物体の形状を認識する能力であり、形態覚の鋭敏さを意昧する。具体的には閾値視角(分)の逆数で表す。1909年の国際眼科学会で視力の標準指標はランドルト環とすることが決定した。ランドルト環は太さと切れ目の幅が外径の5分の1と定められている。切れ目の幅が視角1分のランドルト環の視力は1.0である(佐藤泰正編:視覚障害学入門、1991,p.21,学芸図書株式会社)。

 

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