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アンドレイ・ガヴリーロフ

 

 

1955年モスクワ生まれ。18歳でチャイコフスキー・コンクールに優勝、同年ザルツブルク・フェスティバルでスビャトスラフ・リヒテルの代演でデビュー、絶賛を博す。以来、世界のトップ・オーケストラ、著名指揮者と共演し国際的に活躍。ロンドンには1976年サイモン・ラトル指揮ボーンマス響との共演でデビュー。その2年後にはベルリン・フィルとの共演を果たし、西ヨーロッパ・ツアーで30のコンサートを行った。彼は1980年までに世界の主要文化都市で演奏しているが、その後1984年にクィーン・エリザベス・ホールでのコンサートで西側に復帰し、大成功を収めるまで、政治的理由で西側からは遠ざかっていた。このコンサートに続き、ロンドンではロイヤル・フェスティバル・ホール、バービカン・ホールでリサイタルが行われている。
リサイタルのデビューは1985年ニューヨークのカーネギー・ホールで行い、ニューヨーク・タイムズは「大器」と評している。その後ニューヨーク、ロンドン、パリ、ベルリン、ミュンヘン、アムステルダム、シカゴ、ウィーン、フィラデルフィア、モントリオールの各地や、日本フィルをはじめ東京の主要オーケストラ、そしてクラウディオ・アバド、ベルナルド・ハイティング、リッカルド・ムーディ、小澤征爾、エフゲニー・スヴェトラーノフ、クラウス・テンシュデットなどの指揮者と共演。
1976年から1990年までの間はEMI専属アーティストとして数多くの録音を行った。主なものにはムーテイとのチャイコフスキーの協奏曲、ラフマニノフの協奏曲第2番と第3番、ギトン・クレーメルとの共演によるシュニトケとショスタコーヴィチの作品、バッハ、モーツァルト、シューマン、ショパン、ラフマニノフ、スグリャービン、プロコフィエフの独奏曲などがある。これらの録音はグラモフォン大賞(1979)、ドイツ・シャノレプラッテンプライス(1981)、シャルル・クロー・アカデミー・レコード大賞(1985−86)、国際レコード批評家賞(1985)、特に「世界最高のピアニスト」、と評価された権威あるシエナのキジャーナ国際音楽アカデミー賞(1989)、そしてレコード・アチーブメント賞金賞(1994)など数々の賞に輝いている。1992年には初めてドイツ・グラモフォンにプロコフィエフのソナタとショパンの作品を録音。国際的に高い評価を受けた。これに続き、同レーベルにはシューベルトの「即興曲」全曲、バッハの「ゴールトベルク変奏曲」を録音している。今後発売予定のディスクにはプロコフィエフの「ロメオとジュリエット」、ベンジャミン・ブリテンの作品などがある。また、ウラデイーミル・アシュケナージとともにストラヴィンスキーの2台のピアノのための作品も録音しており、デッカよりまもなく発売される予定である。

 

 

 

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