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広上淳一

 

1958年東京生まれ。1983年に東京音楽大学卒業後、名古屋フィルハーモニー交響楽団のアシスタント・コンダクターとなる(1983−84シーズン)。国際的な活躍は1984年の9月、審査員にベルナルト・ハイティングやウラディミール・アシュケナージといった有名な音楽家の居並ぶ中、第1回キリル・コンドラシン国際青年指揮者コンクールに優勝後始まる。特にアシュケナージは彼の指揮に非常に感心し、1985年NHK交響楽団の全国ツアーでソリストを勤めた際、彼を指揮者に選んでいる。続いて翌年、フランス国立管弦楽団とのパリでのコンサートの際も指揮者として起用している。
しかし、続く5年間は、国際的に知られたいろいろな指揮者のリハーサルに参加するなど研鑽を重ね、レパートリーを広げることに専念。そのなかで彼にとり最も貴重な経験はレナード・バーンスタインとアムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団のツアーで、バーンスタインの体調がよくなかったため、彼がリハーサルをまかされ、本番にも万一のため備えていたことである。
1990年以降は世界のトップクラスのオーケストラを指揮し、国際的に活躍。イスラエル・フィルハーモニー管弦楽団と50回以上にわたり共演したほか、アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団、ウィーン交響楽団、ベルリン放送交響楽団などを指揮し、いずれも高い評価を受けている。英国では今後もロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団を指揮する他、ロンドン交響楽団、ロイヤル・リバプール・フィルハーモニー管弦楽団、BBCスコットランド交響楽団、ナショナル・ユース・オーケストラなどを指揮している。オペラは1989年にシドニーのオーストラリア・オペラでデビューを果たしており、1990年と1992年に再度指揮を依頼されている。日本へは定期的に帰国しており、1991年に正指揮者となった日本フィルハーモニー交響楽団をはじめ、主要なオーケストラを指揮している。1988年より昨年まではスウェーデンのノールシヨピング交響楽団の首席客演指揮者、のちに首席指揮者に就任(1995年9月まで)。同オーケストラとは日本公演を行い各地で好評を博した。また、CD録音も多く、日本ではキング・レコードより「伊福部昭の芸術」(4枚組)をリリースしたほか、スウェーデンのBISレーベルにも数多くの録音を残している。
今後はロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団とDENONレーベルヘの一連の録音(マーラーの交響曲第1番はすでに1994年に録音)が予定されている。今年はシンシナティ、ダラス、ロサンジェルス、ミルウォーキー、ミネソタ、ピッツバーグ、モントリオールの主要なオーケストラを指揮するなど、北米での活動も本格的に開始する予定である。

 

 

 

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