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プロコフィエフ:バレエ組曲《ロメオとジュリエット》より

 

今世紀ロシア音楽の大家セルゲイ・プロコフィエフ(1891−1953)は、バレエのための音楽にも、いくつか良いものを残している。中でも《ロメオとジュリエット》は、初期の《道化師》(1921年初演)や後期の《シンデレラ》(1945年初演)に優る、中期の傑作だと言えよう。プロコフィエフはソヴィエト革命をのがれて1918年に亡命したが、33年祖国に帰ることを決意、以降その作品は、従来の尖鋭でややわかりにくいモダニズムから、より普遍的でつかみやすい、しばしば抒情性を濃く表わしたものへと変わっていく。33年に着想され、35〜36年に作曲されたこの《ロメオとジュリエット》は、そうした変化を象徴する作品だと言えよう。
シェイクスピアの余りにも名高い悲劇の音楽化は、ベルリオーズ、チャイコフスキーほか多くの作曲家によって行われたが、1938年末にブルノ(チェコ)で全曲の初演を見たこのプロコフィエフ作品は、さしずめ20世紀を代表する《ロメオとジュリエット》となっている。プロコフィエフは3つの管弦楽組曲を編んでいるが、ここに演奏される4曲は、それらから任意に抜粋されたもの。?@モンタギュー家とキャピュレット家は第1幕から、対立する両家の使用人たちが、ヴェローナの町の広場で衝突しひと騒動となる<喧嘩>の場面を中心とした音楽。?A朝の踊りは、バレエの筋立ての上では上記の場面に先立つ、町の楽しい賑わいの場面。?B仮面は、モンタギュー家側の一人マキューシオが、ロメオを誘って、キャピュレット家の舞踏会に、仮面をつけ変装して忍び込む場面の音楽。やはり第1暮からである。?Cタイボルトの死は、友マキューシオを決闘の場で卑劣な手段により殺されたロメオが、相手のタイボルトに闘いを挑んで、ついに倒す場面。第2幕第3場の終曲である。

 

プロコフィエフ:ヴァイオリン協奏曲第2番 作品63

 

プロコフィエフは協奏曲という様式を好んだほうで、ピアノのために5篇、ヴァイオリンのために2篇のコンチェルトを残した。第1番のヴァイオリン協奏曲(ニ長調、作品19)が第一次世界大戦中、ソヴィエト革命前夜の1917年に作曲されたのに対し、第2番(ト短調、作品63)は、プロコフィエフが15年にわたる国外生活を経てロシアに復帰した直後にあたる1935年に完成されている。したがって、若い頃のモダンで鋭角的な作風による第1番に対し、第

 

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