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都道府県だより

北海道における民間防火組織

北海道総務部防災消防課長 帽口豊

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北海道は、83,451kmという広大な土地と、豊かな農林水産資源、四季折々の姿を鮮やかに映し出す自然環境に恵まれ、開拓時代以来、その恩恵を活かし、食料、各種資源供給の代表的な拠点として、また、多くの旅人を魅了する観光地としてその地位を確立してきました。
さて、本道の住宅は、長く厳しい冬をより快適に過ごすために、気密性の高い構造となっております。また、本年は5月の桜の開花時期を過ぎても肌寒い天候が続きましたが、例年夏期を迎える直前まで、灯油やガスなどを暖房用燃料として使用し、暖を取る地域が多くあります。
このため、建物火災においては一酸化炭素中毒死、また、ストーブの整備・点検の不良を原因とする火災発生の危険性が高い、といった実情があります。
北海道の火災状況についてですが、平成7年には2,138件発生しており、80名の尊い生命と74億円余の多大な財産が失われています。
出火原因としては、こんろ、たばこ、ストーブなど、依然として身近な火の不始末から火災に至ることが多いと言えます。
このような状況の中、道としては、春と秋の火災予防運動の実施や消防用設備等の設置促進、また、平成8年度消防防災ヘリコプターの導入や広域的な消防体制の整備などの各種施策を推進していますが、防火・防災については、「自分のまちは自分で守る」という強い信念の下に結成された、幼年消防クラブ、少年消防クラブ、婦人防火クラブといった民間防火組織の協力が必要であり、その設置拡充と育成強化が重要であると考えています。
[民間防火組織の概況]
本道における平成7年5月1日現在の民間防火組織の状況は、次のとおりとなっています。
1 幼年消防クラブ
幼年消防クラブは、527団体、41,893人で前年に比べ、62団体、2,760人の増加となっています。
消防署施設見学や法被を着用しての老人福祉施設訪間など各種行事を通じて、火の正しい取扱い方、防火の重要性を学んでいます。
2 少年消防クラブ
少年消防クラブは、272団体、8,852人で前年に比べて2団体、561人の減少となっています。
火災予防運動期間中の街頭啓発、防火チラシ配布、また、防火映画会、防火講話・クイズなど、地域に対する防火思想の普及啓発や防火に関する知識の習得に努めています。

 

 

 

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