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保育所で子どもの育ちを見ていると実にたくましく育つ子どもたちである。日々新しく体験を重ねて生きている。未熟ながらも意欲的に新しい冒険に立ち向かい、その体験を自分のものにして育っていく。育てる者は安全で保健衛生的な環境を用意し、育児意識をしっかりもち、家庭と共にたくましく育てていきたいものである。

 

生活リズムの安定を図る

 

子どもの発育・発達を促進する保育の原点は、子どもの日々の生活リズムを健康で規則正しく用意することから始まる。大人の用意する生活が健康的で魅力的であるならば、子どもは生き生きとその生活を楽しむことができる。ここちよい生活の中で子どもは情緒を安定させ、活動的に、もてる諸機能をのばしていく。
保育所の子どもの生活は家庭での機嫌のよい目覚めから始まり、日中の保育の延長線上に家庭の秩序ある生活リズムが形成され、それぞれ分断されることなく一日の生活の流れが調整されていくことが必要である。このような生活があって子どもの発育・発達を保障するプログラムが生きてくるのである。
集団の中で個を尊重する保育をするということは、家庭の不規則な生活を保育所に持ちこむことを認めるということではない。子どもの健康生活を保障するということは、思いつきや即席でできることでもない。それぞれの家庭生活をしている個性あふれる子どもを保育所は集団の中で保育している。家庭も保育所も大人の都含で、このリズムを変則的なものにしてはならないと考える。

 

 

 

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