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社団法人 全日本川柳協会
会長仲川幸男(たけし)
平成柳多留第四集の発刊にあたり、ご協力を頂いた柳社及び川柳人の皆様に感謝を申し上げ、庶民文学川柳愛好の全国の皆様にご挨拶を申し上げます。川柳不毛の地と言われておりました沖縄県に報道・文化行政。その他関係者のご援助とご協力により、県下大方の市町村にその分布を見るまでにいたり、川柳結社も生まれ、これで日本全都道府県に全日本川柳協会を結成する組織が出来上がりました。現代の川柳の結晶と川柳が庶民に最も近い短詩文学としての代表的な優秀作品を全国の皆様に見て頂けます一冊としてここに編集いたしました。また、この度の趣旨をご理解頂きました日本財団のご援助が大きな役割を果たしたことを申し上げておかなければなりません。第四集を完了してようやく、平成初期の川柳がこのような短詩文学であったことを後世に残せることになったことも大変うれしいことであります。川柳が庶民の生活をそのまま自分の意思で十七音字に綴ることは、二百五十年余前に、世に川柳が生まれてから現在まで、一説明快に万民が理解出来得る心を詩ってきたことは、他の短詩ではまねることの出来ない心の歌であると言えると思います。
この第四集の内容は、二千七百余名、団体三百余柳社、また外国の川柳家も加わっての柳多留であります。広範囲でありますので、一定の枠におさめきれないところもありますが、おしなべてこの一冊は現代川柳の最大公約的なものであると思います。
他の文芸と比べて浅い歴史、また過去の負に属するところの解明等、多くの問題点を抱えて前進し、充実に努力をつくしている昨今でありますが、短歌・俳句の歴史や分布にはまだ及ばない今日であります。並列で進んでいける条件のなかには、川柳が生活のなかに一番溶け込みやすく、物事を敏感に感じ表現する文芸として最も多くの層に見い出され、愛されているということであると思います。
なお、一つは全日本の川柳人がおよそ一つの団体、すなわち社団法人全日本川柳協会のなかで活動。普及をしているからであろうと思います。この一冊の中に凄み出ている日本人の生活の詩を、教科書の中に成長期の一つの指針として取り入れて頂ける資料となることを祈って序文といたします。

 

 

 

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