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「旧暦と潮汐」

第六管区海上保安本部水路部
太古の時代から、人々は、月と潮汐には周期的な関係があることに気づいていました。実際、月による潮汐力(起潮力と呼んでいます)は、太陽のそれより2倍程大きく、潮汐のほとんどは、月に影響されています。よって、月の運行に基づいて、作成されたこよみである旧暦は、潮汐と密接な関係があるわけです。
1 新暦(グレゴリオ暦)
現在、私たちが使用しているこよみは、古代エジプトのナイル河の畔で生まれました。
このこよみは、農作業の都合上、季節と密接な関係がある太陽の一年の動きに基づいて作られました。
つまり、1年とは、地球が太陽を一回りする日にち365.2422日です。
ですから、1年を365日とし、4年に一度366日(うるう年)にすると一年を365,25日としたことになります。これがユリウス暦と呼ばれるもので、128年でやっと一日の狂いが生じるものでした。
でも、この違いも年月が経つと無視出来なくなりました。そこで、400年に3回うるう年をやめることにしました。これだと3000年経っても一日の違いしか生じないという精密なこよみになります。これが、現在私たちが使用している太陽暦、グレゴリオ暦と呼ばれるものです。
2 旧暦(天保暦)
これに対して、月の満ち欠けに基づいて作られたこよみがあります。
昔の人々は、毎日の生活のリズムに時間の区切りをつけるため、一番みじかにある月の満ち欠けに周期性があるのに気づき、これをこよみとして使ったことは、ごく自然なことでした。
この月の満ち欠けの平均的な周期は、図に示すように最初の新月(朔)から満月(望)を経て次の新月までに要する日数で、約29,53日です。

月齢と月の形

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