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序文

 近年地球環境問題の重要性が認識され、地球環境システムに特に大きな役割を果たしている海洋の研究が急務とされている。このために広域にわたる高密度かつ高精度の海洋データが要求され、国際的にもデータの高レベルの品質管理が要求されてきている。さらに、生のデータに加え、例えば汎用性の高い格子点に配分されたデータセットのような、種々加工された海洋情報の提供が求められるようになってきている。また、沿岸域のみならず外洋域においても海洋の開発利用の重要性が増大しつつあるが、国連海洋法条約の発効等新しい海洋秩序のもとにおいては、従来からの沿岸域の開発利用も新たな視点のもとで再検討する必要がある。このような背景のもとで、基礎となる海洋データ・情報の一層の整備が求められるとともに、海洋データ・情報のユーザヘの提供方法にもきめ細かい工夫・サービスが必要となってきている。
 本事業は、このような要請に対応し、現状の海洋データ・情報の収集・管理・加工・提供の方法等の問題点を明らかにして、改善策を検討し、結果を地球環境問題を始めとする海洋研究の推進や船舶の航行安全及び海難防止等の実務面に資することを目的として、今後の海洋データ・情報提供方策の概念を設計したものである。

平成9年3月

財団法人 日本水路協会

 

 

 

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