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「短所」

◎伝送の遅れ(数秒〜数分)がある(リアルタイム通信には不適)。

◎大容量のデータ伝送は困難である。

◎音声通信は不適である。

◎消費電力は衛星通信、超短波無線通信に比較して大きい。

これまで、MBCは主に欧米で研究開発が進められ、軍事利用(平時は衛星等によるネットワークのバックアップ)や気象データの収集システム(Snowpack Telemetry-SNOTEL-:米国西部11州を対象とした春・夏の洪水・河川水量の予報業務に運用)あるいは長距離トラックの迫跡・交信システム(但し、現在では行われていない)に応用されている。我が国でも1992年9月にMBC研究用の実験局の開局により浜松市(静岡大学工学部)と八戸市の間で各種の通信実験が行われるとともに、将来は中国の砂漠の各種環境データをMBCで日本に伝送する計画もある。

MBCの海洋データ伝送は、米国が洋上ブイを中継局として太平洋東部海域で基礎実験を行っているが、洋上ブイや船舶等を基地としたMBCの問題点として、

◎洋上ブイの揺れによるアンテナの指向性確保の問題。

◎船舶のノイズの問題があげられている(福田・私信)。

我が国では、1980年頃から陸上間の流星バースト通信について、静岡大学で研究が続けられており、1995年からは、海上保安庁灯台部による灯台間でのデータ伝送実験が行われている。海上でのデータ伝送としては、海上保安庁水路部が1993年から5か年計画で実施している多角的漂流ブイの開発研究」におけるデータ伝送手段として採用し・千葉県成東町の陸上基地局と千km以上離れた海上の測量船及び多目的漂流ブイ間で、GPsec水温データ等の伝送及びメールの交換による流星バースト通信実験を行っている(図2.2.24)

 

 

 

 

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