4.海図数値化データ処理
4-1 海図数値化データ処理工程
4-1-1 海図数値化データからERC採用データ選択
HO(水路部)原備ファイルには、数多くの海図情報がデータとして収録されている。ERC情報は、これら海図情報のうちから航海に必要最小限の情報のみを収録することとし、つぎのとおり選択した。
線データでは海岸線、低潮線、等深線及び雑線の各ブロックを、点データでは航路標識点、障害物点及び雑魚の各ブロックを採用することとした。各ブロックごとの詳細は次のとおりである。
(1)海岸線
HO原備ファイルの海岸線には属性値として海岸線の種類(砂浜、崖、岩、人工等)が記録されているが、これは区別しないことにした。このことにより海岸線表示の簡略化が計れ、データ容量が節約できる。河川は原則として第1橋までを示しその上流は省略するが、船舶の通行が可能である橋については更にその上流まで採用することとする。
(2)低潮線
原則として省略するが、次のものは採用する。
・沖合で閉鎖線で表される独立した浅所となっているもので航路に近いもの。
・海岸線に並行する低潮線は概ね省略するが、遠浅で航路近くまで張り出しているもの。
・護岸等の目的で海底に設置した潜堤または導水堤で干潮時に現われるもの。
・珊瑚礁の主要なもの及び外洋に面しているものは、低潮線の項目で扱う。
(3)等深線
現行等深線には、属性値として資料出処等のデータが記録されており、分類されているが、これも海岸線の場合に準じて省略する。1/10万シリーズ及び1/20万シリーズでは10m,20m等深線を、1/5万シリーズでは、これに5m等深線を加えて採用する。なお、前者では10m線を、後者では5m線を避険線として扱うこととする。
(4)雑線
雑線は、前記3線(海岸線、低潮線、等深線)以外の線データをまとめたブロックであり、あり、次の各項目について採用する。