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II.開発・作成内容

1.ERCのデータフォーマット及び収録媒体

1-1データフォーマット

 データフォーマットは、発足以来8年度末まで改正回数8回のバージョンアップを行った。このうち、第4回改正分までを5年度報告書に記述した。
 バージョンアップにあたっては、古いバージョン対応のERC表示装置により新バージョンで作製したICカードを使用しても改良部分(例えば地名表示)には対応できないもののエラーが出る事なく使用できるよう配慮した。変更点は次のとおりである。

1-1-1 第5回改正(Ver.1.11 H7.6.14)の変更点

 ヘッダーブロックに表示図郭及び全体図郭の2項目あるが、これを両者とも全体図郭のデータを収録し、名称を表示図郭とし区別しないこととした。
 これは、フォーマット決定当初はファイル分割を主として海図単位で行っていたため、海図の切出し区域を含む含まないの表現は2つの図郭表示で区別していたものである。しかし、現行の統合図から切出す方式ではその意味合いが薄く馴染まないものとなったため、両者を区別せず同一データを収録することにしたものである。不採用(旧)項目を省略しなかったのは、新旧のデータに互換性を持たせるためである。

1-1-2 第6回改正(Ver.2.00 H7.6.14)の変更点

 海岸線の内部(陸地部)の塗りつぶし対応とするため、該当データは総て閉鎖するデータ構造とし、構成する線データをそれぞれ始線・中間線・終線のグルーブで構成する「多線閉鎖線」と1線で閉鎖を構成する「1線閉鎖線」の2線4種のモードに分類する。
 塗りつぶしの対象外の線(1本線で表される堤防等で独立線と呼ぶ)は、モード0に分類する。これは、塗りつぶし対応のERC表示装置が塗りつぶし非対応のデータをアクセスした場合、すべて独立線として処理することになり、新旧データの互換性を保つようにしたものである。

1-1-3 第7回改正(Ver.2.10 H7.2.24)の変更点

 (1)文字データブロックを新設する。これにより、地名、海洋名等を収録する。

 地名データブロックではなく文字データブロックとしたのは将来、地名以外に航路標識・書目標の名称及びインフォメーション記事等を拡張収録できるようにしたためである。

 

 

 

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