日本財団 図書館


[6]バウンドテニス

1)動作の特徴
男女それぞれ1名のプレーヤーのシングルスとダプルスの試合中の動きを図表13に並べて示した。左側がダブルス、右側がシングルスである。いずれも5ゲームを行っている。男性プレーヤーの場合シングルスとダブルスで実施ゲーム数が異なり、シングルスは8ゲーム、ダブルスは5ゲーム実施している。図表14にはゲーム中の動作の比率を、シングルスとダブルスで比較して示した。
●シングルスゲームでの動作
バウンドテニスの動作の特徴をみると、シングルスとダブルスでゲーム中の動作の比率が大きく異なっている。まず、シングルスでは「立位静止」の状態は全体の5%以下と少なく、プレーヤーはゲーム中ほとんど動いていることがわかる。動きのある動作では「歩き」が最も多く、女性では31%、男性では39%と全体の約3分の1を占めている。シングルスでの「歩き」はプレー中の動作ではなく、コート外にボールを拾いに行くときやポジションに着くときなどのプレー外の動作がほとんどである。
次いで多いのが「フットワーク」で、女性では28%、男性では19%を占めている。「ストローク」はプレーヤー間で差が見られ、女性で21%、男性で9%である。ゲーム中のストローク・ラリーに違いがあったものと思われる。
サーブレーブ時などの「構え」動作は、女性10%、男性13%、「サービス」「ネットプレーダッシュ」はそれぞれ全体の約5%程度である。
●ダブルスゲームでの動作
ダブルスではシングルスゲームで20〜30%占めていた「フットワーク」動作がないのが特徴である。また、動作の比率もシングルスと異なり、「歩き」「立位静止」が増えている。「フットワーク」がなくなった分「歩き」が増えて、「歩き」がゲームの約60%を占めている。これはダブルスではパートナーと交互にプレーしなければならないことから、ほとんどの場合歩きながらポジションを交代しているためである。
シングルスの「歩き」はプレー外の動作であったが、ダブルスでは「歩き」がプレー中にも入ってくる。また、ダブルスでは「立位静止」がそれぞれ女性18%、男性15%とシングルスより大幅に増えている。これもパートナーがプレーしているときに静止状態で待っていることが多くなるためである。
●激しいネットプレーもある
バウンドテニスはべースライン寄りに立ってボールを打ち合うストロークプレーが多い。コートの幅も3mと狭いことから、フットワークは前後左右に2〜3歩動く程度でそれほど激しくない。しかし、男性プレーヤーのシングルスにもあるように、ストロークと同時にべースラインからネット際にダッシュし、相手の返球をボレーするかなり激しいプレー(ネットプレーダッシュ)もみられた。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION