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[3]グラウンドゴルフ

1)動作の特徴
男女それぞれ1名のプレーヤーについて、ゲーム中に見られた動作とそれぞれの動作を行った時間を図表5に示した。また、それらの動作がゲーム中どの程度の割合で行われているか、その比率を図表6に示した。動作分析対象時間は、男性プレーヤーについては11ホール、34分13秒、女性プレーヤーについては12ホール、43分27秒であった。
ゲーム中の動作の内容をみると静止状態が多いことがわかる。男女プレーヤーとも「立位静止」がゲーム全体の約60%を占めている。これは、ティーグラウンドでの「打順待ち」や同伴プレーヤーの「打球」を見るための静止で、自然と静止状態が多くなるのである。
次いで多いのが「歩き」で、全体の約20〜30%を占めている。これは打球地点への移動、ホール間の移動のためである。
ボールを打つための動作は、「打球構え」および「打球」を合わせて全体の約10%程度である。グラウンドゴルフでは、各ホールの第1打でボールを遠くに転がすために、スティックを大きく振り上げ強く打つ動作がみられる。しかし、ホールポールに近づくにしたがって、距離を合わせるコントロール打ちに変わってくる。
全体的にみて、グランドゴルフでは各ホールの第1打以外は瞬発的な激しい運動はない。「立位静止」「歩き」「構え」「腰かがめ」など動きのゆるやかな動作で構成されている。
2)動作から見た安全対策
●第1打に注意しよう
動作内容から身体運動強度を推察すると、「立位静止」「歩き」「構え」がプレーの約90%を占めており、グラウンドゴルフの身体運動強度は日常生活レベルとほとんど変わらないのではないかと考えられる。
しかし、各ホールの第1打ではかなり大きくスティックを振り上げて強打するので、バランスを崩したり、地面を叩いてしまうことがある。また、ゲームに夢中になるあまり、同伴プレーヤーのスティックに当ってしまうことのないように注意する必要がある。ボールに乗って転んだりといった不注意による事故にも注意する必要があろう。特に、高齢者の場合は配慮すべき点であろう。

 

 

 

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