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[2]おもな文献の内容

1)クリケットの普及状況
クリケットに関する歴史、協会への参加人数、世界的な普及状況について、社会学あるいはスポーツ医学におよぶ広範囲な分野に渡って紹介している。
『クリケットは、べースボールに似た1チーム11人で行うゲームであり、野外で行うゲームとして特に有名である。世界のクリケット人口をつかむことは不可能であるが、International Cricket協会がありSports Counilではある程度まとまった情報を得ることができる。1983年、英国では人口の0.5%にあたるおよそ65万人が、その夏の1ヵ月に1回以上試合に参加している。ハイスクール以上の学校での公式、非公式の試合を含めるとものすごい数になる。英国では、クリケットはトップ10に入る人気のポピュラーなゲームである。その競技人口は1965年以来変わっていない。しかし最近クリケット人口が世界的に増加し、特に北米では増加が著しい。ポーランドではナショナルチームまである。
クリケットの試合ではある程度の危険を伴うが、大きなけがはあまり起こらない。クリケット選手は、常によいコンディションを保ってけがを予防している。けがを予防するために、バッターを保護する防具は不可欠であり、今も改良工夫されている。また、正確なクリケットの技術を取得することで受傷率を減らすことができる。最終的には、危険を最小限にするためのルールの適正化が不可欠である。
Thomas Crisp and John B.King.「SPORTS INJURIES」1,283-290,1994.
2)テニス型ニュースポーツの傷害テニス型のニュースポーツでは、目の傷害が多く発生しており、この論文は目を保護する防具の普及が急務であることを論じている。
『ニュースポーツ、特にテニス型ニュースポーツがポピュラーになるにしたがって、目のけがに対する研究とその予防のための対策を普及すぺきである。70年前では、テニス型スポーツでの目の傷害は、Glasgow Royal 病院では全体の0.7%であった。ところが、12年前には4.1%まで増加した。このような目の傷害は、適切な防具があれば確実に保護することができ、予防できるものである。さらにもっと新しい保護具の開発と普及を広める1べきである。
1年にわたって、マンチェスターのロイヤル・アイ・ホスピタルで入院治療を必要とした全スポーツの傷害に関する調査研究がおこなわれた(1987年1月1日から12月31日の間)。52人の入院患者のうち、ラケットスポーツによる患者はこれらの51.9%を占めた。そのうち8人の患者は、12種類の外科的処置を必要とし、さらに特に重傷が3件あった。スポーツによる目の重大な外傷が増える傾向にあり、目の適切な防具の普及が緊急な課題である。』
Jones,N.P.「One year of severe eye injuries in sport Eye」2(5)、484-487, 1988.

 

 

 

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