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●世論調査による推定数
統計的な世論調査で発表される推定愛好者数は、調査そのもの信頼性は高いが、愛好者の定義や種目の特性によって事情は異なる。例えば、週一回の愛好者と年数回程度の愛好者を同様にカウントしてよいのかという問題もある。数年に1回程度しか実施していなくてもスキー愛好者を自認している人もある。また、毎日実施されているラジオ体操に年に数回しか参加しない人を、ラジオ体操愛好者とは認めにくいのではないだろうか。世論調査の内容を吟味することが必要である。
●施設の利用者数より推定
固定した施設が必要な種目の場合は、施設の利用者から概数を推定できるであろう。しかし、施設がなくても楽しめる種目の場合は推定が難しい。
いずれにしても、愛好者数は参考程度にとどめ、発表された数字を鵜呑みにすることは避けたいものである。公園内のニュースポーツ施設の設計に際して、発表された愛好者数を安易に信じて失敗した例もある。
2)本調査による愛好者数
本調査による推定愛好者数の累計は、52団体で国内36,665,442人、国外82,266,750人である。国内と国外の愛好者数から普及状況をみると、?@国外で発祥したスポーツで、国内では未普及の種目、?A国外で発祥したスポーツではあるが、むしろ国内の方が普及している種目、?B国内で発祥したスポーツで、国外では未普及の種目などがあるようだ。
[3]ニュースポーツ愛好者の年齢構成と性別構成

1)年齢構成割合
愛好者の年齢構成をみると年齢層が偏っている種目があるようだ。例えば、一輪車、スポーツチャンバラ、ドッジボール、バイシクルモトクロス、リズムなわとびなどではその80%以上が17歳以下の年少者である。また、カバディ、サーフィン、ライフセービング、ラート、ローラースケート、健康体育などは、18歳〜29歳の青年層が80%以上を占めている。キャスティングでは30〜39歳が60%、バウンドテニスでは40〜49歳が60%、万歩では50〜59歳が60%、ランボールでは60〜69歳が70%となっている。
それぞれの種目の特性から、ある程度の年齢構成の偏りがあるのは当然のことだろう。しかし、生涯スポーツの観点からみれば、それぞれの体力や技術に応じて年少者から高齢者まで幅広く楽しめる姿が望ましいのではないだろうか。
2)性別構成割合
性別構成をみると、全体では男性が60.1%、女性が39.9%となっている。ただし、種目ごとの愛好者数人口が異なっており、厳密な比較は出来ない。文部省の「我が国のスポーツに関する調査(1992年)」をみても、“過去一年に運動やスポーツを行った人”は男性の参加率が10ポイント程度高くなっており、ニュースポーツ愛好者も男性の割合が高いということであろう。
種目別にみると、男性の割合が高いのはオリエンテーリング、カバディ、気球・キャスティング、ゲームフィッシュ、バイシクル・モトクロス、フットバックなどで、90%以上

 

 

 

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