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医学部創設23年・献体23年

 

愛媛大学医学部

 

愛媛大学医学部は、愛媛大学第6番目の学部として昭和48年度に創設された。第1期生が3年生になり、医学専門教育の始まった昭和50年度より「正統解剖実習」を行う事ができたが、これは愛媛大学白菊会のご支援に負うところが大である。昭和47年頃「医学部設置準備室」(愛媛大学事務局4F)へ医学教育のための篤志献体者の会を設立したいと松山市の亀田孝氏が申し出られていた。また、それ以前から豊田香苗氏(愛媛大学白菊会会員番号1番)が白らの篤志献体を県知事に申し出られておられた。愛媛大学白菊会設立の有志による会合が昭和48年11月12日に持たれが、この頃愛媛大学医学部は旧衛生研究所(松山市堀之内)の仮の建物で医学教育の準備がなされていた時であった。翌昭和49年2月8日に12名の会員によって設立総会が行われ愛媛大学白菊会が発足した(初代理事長亀田孝、副理事長白石達次郎、宮崎和世)。最初の献体は医学部発足後3ヶ月たった、昭和49年1月1日早朝藤田トキオ氏によってなされた事を記録に留めておきたい。
愛媛大学白菊会は、毎年6月に総会と、9−10月に東予、中予、南予の地区別懇談会を行っている。会員の親睦と医学に関した講演会がもたれる。また、毎年11月1日に解剖体位慰霊祭後の懇談会も行われていた。理事長は初代の亀田孝氏5年、宮崎和世氏15年に続いて、現在石津栄一氏が就任している。現在会員数2,200名余りに発展したので、平成7年度より総会は代議員(約66名)により行われるようになった。平成4年4月30、31日には篤志解剖全国連合会第22回総会を松山市で開催(宮崎和世理事長、中村光昭実行委員長)したほか、4年毎に四国地区白菊会懇談会を愛媛で開催している。献体運動や愛媛大学白菊会の活動を援助する目的で、愛媛県篤志献体協会(今井琉璃男理事長)が昭和52年2月3日に設立され協力をいただいている。
解剖体位慰霊祭は毎年11月1日に愛媛大学医学部の主催で行われている。昭和49年に第1回を愛媛大学記念講堂(城北キャンパス)で、昭和50年に第2回を松山市の石手寺(四国霊場第51番お札所)で、第3回目からは医学部体育館で行ってきた。平成元年からは無宗教方式で慰霊祭を行っている。医学部キャンパス内にある解剖体慰霊の碑は昭和54年11月1日に完成した(写真)。献体者に対する文部大臣の感謝状の伝達式は、昭和54年11月1日(第1回)から毎年行われている。
「明かるく、楽しく、和やかに」のキャッチフレーズで行われる6月の愛媛大学白菊会総会には、前年度に「正統解剖実習」を終了した医学部学生が参加させていただき、会員の皆様と懇談させていただく機会を持っている。医学部創立23年、卒業生1,822人を世に送り出すことができたが、これ一重に愛媛大学白菊会23年のご支援の賜物と感謝している。
(高島庸一郎)

 

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