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みおつくし会と森田理事長

 

大阪市立大学医学部

 

本学医学部は2度名称を変え、現在に至っています。昭和19年に大阪市立医学専門学校として開校し、昭和23年に大阪市立医科大学に昇格した後、昭和30年に大阪市立大学医学部となりました。初代の解剖学教授であった鈴木・島両先生の時代には、系統解剖学教育のための御遺体の確保は大変困難でありましたが、大阪市立大学みおつくし会が昭和49年10月に発足したことにより、ほどなくその問題は解消されました。当初80名の会員でスタートしたみおつくし会は、今や生存会員数が1,500余名と隔世の感を禁じ得ないところまで発展し、本学の医学教育のために不可欠の存在となっています。みおつくし会の歴史は初代理事長森田好雄氏(平成6年10月成願)抜きには語れないと言っても過言ではありません。森田氏はみおつくし会の設立に寄与された後、20年の長きにわたり、理事長として会の運営に当たってこられました。それと同時に、森田氏は篤志解剖全国連合会(全連)の発起人のひとりとしても尽力され、その後、全連の理事として終生にわたり全国の献体運動の推進に寄与してこられました。昭和59年からは全連副会長を、そして引続き平成4年から2年間は全連会長を務められました。医師の人間形成にとりはかり知れない意味を持つ献体運動に全国レベルでも貢献してこられたことは、本学にとっても大変誇りとするところです。さらに、平成元年には森田氏は星野一正前京都大学解剖学教授とともに近畿献体懇話会を呼びかけられ、近畿地区の団体および大学の関係者が隔年ごとに集い、献体に関する諸問題の意見交換を通して互いの親睦を深めています。
みおつくし会の総会は毎年10月中旬に本学の田中記念会館で催されています。350名を越える参加者があり、恒例の医学講話や、参加者一同による懐かしの曲の合唱を皆様大変楽しみにされています。平成5年には、創立20周年記念総会が挙行され、内野滋雄日本解剖学会理事長・佐藤達夫前全連会長をはじめ、多数の来賓の臨席を仰ぎました。同総会はみおつくし会の歴史のなかでひとつの記念すべき節目となりましたが、同時にそれが病に斃れられた森田氏の最後の活躍の舞台となってしまいました。昨年より岡田好則氏がみおつくし会の新理事長として活躍され、理事および会員の皆様とともに引き続き本学の医学教育を力強く支えで下さっています。
(解剖学第1講座 高木 宏)

 

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