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献体活動20年を振り返って

 

滋賀医科大学しゃくなげ会

 

しゃくなげ会が、滋賀医科大学の篤志解剖の団体として、昭和50年6月23日に設立されて、20年を経過いたしました。
当時、私は、滋賀県庁の国立医科大学の誘致・建設推進の事務的責任者として勤務しておりました関係で、解剖体確保の関係から、篤志解剖団体設立の必要性を痛感して、しゃくなげ会設立の発起人となり、また会員番号第1号として登録されました。
理念としては、死後遺体を献体し学術的、社会的貢献を果たすということですが、遺体の尊厳と会の信頼を深める意味から、発起人は、当時の前副知事、厚生部長を筆頭に、医大学長、県医師会長、比叡山延暦寺長臈、県議会議員等、県内の最高有識者でスタートし、会の名称は滋賀県の県花「しゃくなげ」にあやかりました。
「光陰矢の如し」と云われますが、全く月日の進むことの早さ、またたく間に20年が経過し、役員のうち何人かは、惜しまれつつ他界されました。
この間、大学当局関係者、特に解剖学講座教授、役員の並々ならぬ御尽力でもって輝かしい成長、発展を遂げてまいりました。
御逝去の報告があると、即時御遺族宅に解剖学講座教授が弔問に伺うとともに、献体受入の手配をします。また御葬式に参列し、御遺体の大学への搬送に同行します。
大学霊安室での受入式には、学長、病院長、副学長、解剖学講座教官、学生課職員、学生代表など10数人が参列し、御遺族に学長から感謝状が贈られます。
毎年5月の比叡山延暦寺における慰霊法要及び横川にある霊安墓地への納骨、10月の大学における慰霊式及び霊安墓地への参拝、しゃくなげ会総会の他、老人ホームの巡回訪問、長寿者の祝賀訪問(記念品を贈呈)、ボランティア会員による年3回の墓地清掃、会員研修会、会員名簿及び会誌の発行など、数々の行事における御遺体の尊厳に配慮した丁重な取扱い等は、到底、全国の他の医系大学でも追随し得ないものと自負しています。
こうした基盤に立って、更に本会を発展させるため当面の課題としては以下の項目があげられます。
1 滋賀医科大学と県当局の連係を密にするため側面的に協力する。
2 大学教職員としゃくなげ会役員との友好関係を深める。
3 会員相互の親睦と友愛を深めるため、学習会、自己啓発ツアー等を実施する。
4 健全財政と将来の基金確立のため、収入増の方策を図る。
私は、昨年10月のしゃくなげ会総会において常務理事に就任したばかりですので未だ未熟ですが、若干私見を述べて参考に供します。
(常務理事 西田眞一)

 

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