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鶴見大学紫雲会の歩み

 

鶴見大学紫雲会

 

鶴見大学歯学部が呱呱の声をあげたのは今から26年前、昭和45年3月のことでしたが、どの新設の医学部、歯学部でも実習で直面する第一の問題は、系統解剖学実習に必要なご遺体を確保しなければならないということでした。当時は医科大学歯科大学の急増期で、また現在のように献体法もない時代で、ごく限られた方々の善意に支えられているにすぎませんでしたので、各大学とも解剖体については大変困窮しておりました。そのような時に横浜市立大学医学部解剖学教室の提唱により、神奈川県下の医科大学4校、歯科大学2校で神奈川県解剖体運営協議会が結成され、全国でもめずらしい県単位の団結と活動が推進されました。このお陰で我が鶴見大学歯学部は勿論、新設校は大変な恩恵に浴しました。
しかし、本学としてもいつまでも他に頼るばかりでは教育研究の充実は望めません。そこで本学も独自の献体団体を発足させる必要を感じ、大本山総持寺の紫雲台にあやかって『紫雲会』を昭和48年5月7日に発足いたしました。そして紫雲会会員による第1回の顔合わせが行われたのは昭和50年11月18日で、その当時の会員数は30名でありました。これより毎年鶴見大学歯学部解剖体慰霊供養法会のたびごとに総会も開催され、多くの会員が活発な意見交換を行っています。
鶴見大学紫雲会は、本学の特徴である仏教主義の性格をもつ独自の献体団体として平成8年3月現在、総会員数1,730名、生存会員1,108名の大規模な試体団体に成長しました。年間の紫雲会の活動としましては、
毎年(秋)、紫雲会総会開催
毎年、老人施設等で広報活動
年間2回、会報発行
年間2回彼岸供養(春分と秋分)
毎年7月、精霊祭
毎年10月、解剖体慰霊祭
などを行っております。
本学紫雲会の新入会員や成願会員の動向を見ますと近年一段と増加傾向にありますが、特に市町村福祉関係のご遺体の減少に対し、近隣の一般会員の方々の増加が顕著に認められ、このことは本学紫雲会の献体運動も献体運動本来の姿に近づきつつあるのではないかと考えております。

 

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