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北海道医療大学歯学部の「献体18年」

 

北海道医療大学歯学部

 

北海道医療大学歯学部は東日本学園大学歯学部として昭和53(1978)年に開設された。医学・歯学系としては最も新しい学部のため、開設当初の解剖体の収集は大変困難な状況にあった。そのため、口腔解剖学第一講座の初代中山種秋教授は講義と公務の合間に、道央圏は勿論、広く北海道内各方面の病院、施設、福祉事務所への献体運動を精力的に行なった。この献体運動には、歴代の学長、歯学部長を始め、大学の全面的な協力を得た。これらが礎となり、本学の篤志献体の団体である白菊会は、昭和54(1979)年4月に、白菊会東日本学園大学支部として発足し、会の事務局は本学歯学部事務室に置かれた。
会は次第に発展し、昭和63(1988)年4月東日本学園大学白菊会として独立し、初代会長に森岡永吾氏が就任し、現在に至っている。会が独立するまでの間、北海道大学と札幌医科大学が合同の活動母体していた白菊会北海道支部に参加させて頂き、北海道大学医学部・児玉教授、井上教授、札幌医科大学・三橋教授、高橋教授、ならびに白菊会会員の方々のご理解と絶大なるご支援・協力を得た。この機会に、関係者各位に謝意を表します。平成6(1994)年4月、大学名変更に伴い「北海道医療大学白菊会」に改称し、会の事務局は本学大学事務局庶務課に置かれ、日常の業務は本学職員が兼務している。現在、会員数も多くないため、白菊会懇談会を献体慰霊祭終了後に開催し、会員相互の親睦を図っている。また、会報「しらぎく」を年1回発行し、会長・解剖学教授のメッセージ、会員の寄稿、解剖実習を終えた学生の感想文、事務局だより等を掲載し、活動の柱の一つとしている。
昭和54(1979)年8月に第一号の献体を受け入れたのに始まり、徐々に増加し、現在では、年間25−30体の献体があり、十分な系統解剖学実習が可能となっている。平成8(1996)年3月現在の受入総数374体,白菊会会員登録総数188名であるが、解剖体での篤志献体の占める比率は依然として低く、白菊会の組織の拡充と、登録者増への努力を続けている。啓蒙用パンフレットも作り、公開福祉セミナー、老人ホーム、関連病院等で、白菊会の紹介と献体啓蒙活動を行なっている。また、北海道大学、札幌医科大学の白菊会からのご紹介も頂いている。
第一期生の解剖実習の終了した昭和55(1980)年9月20日に、第一回献体慰霊祭が大学のある当別町の全久寺で挙行された。それ以後、解剖実習が終了した8月末に遺族、白菊会会員、来賓、大学教職員、解剖実習を終了した学生が出席して、慰霊祭をしめやかに執り行ない、献体者の霊前に感謝を捧げてご冥福をお祈りしている。また、昭和61年(1986)8月に献体慰霊碑を全久寺境内に建立した。慰霊碑は白御影石で構築され、納骨堂を兼ねている。

 

 

 

 

 

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