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風 風速 15m/sec(定常風)
波 有義波高 2.5m(平均波周期6.0sec,定常力)
・外乱の方向 30゜(斜め前),90゜(真横),150゜(斜め後ろ)
(風・波・潮流が同方向から作用するとした。)

 

3.3.4計算結果
シミュレーション計算結果を図3.3-6〜8に示す。それぞれ、30゜(斜め前),150゜(斜め後ろ),90゜(真横)の外乱中を航走する際の主曳船および浮防波堤の航跡を示している。計算では、外乱なしの状態で所定の航路上(図中のY軸上)を航行していた曳船および浮防波堤にシミュレーション開始と同時に前述の外乱を作用させ、この後の曳船および浮防波堤の挙動を計算することによって系の安定性を調査したものである。図中の船体は実船換算で200秒間隔で描画している。
これらの結果によれば、斜め前と斜め後ろからの外乱の場合には目標方位を外乱に沿う方向に向けることによって外乱を受けた際の過渡応答が時間とともに収束し、定常的な釣り合い状態を生じて安定に直進航走している。しかし、針路に対して真横からの外乱を受けた状態では、目標方位を外乱に向けても外乱から受ける力が大きいため、下方に流されて直進航走ができない結果となっている。このように、真横に近い方向から外乱を受けた状態での操船は厳しく、また、後方からの外乱では不安定になりやすいことを考えると、前方や斜め前方からの外乱を受けた状態で航走する場合が最も安定な曳航状態が得られると考えられる。

 

 

 

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