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1.まえがき

 

 

沿岸域における海洋空間の有効利用のひとつとして、大規模な人工島の建設が計画されている。これらは従来のものに比べて沖合の外海の波浪の影響を受ける海域に建設されると考えられるので、工事用作業船の稼動率確保のため、一時的な静穏海域を創出することが有効である。そのため有効な浮防波堤として過去2ヶ年にわたり中古VLCCを再利用することを考え、消波性能を中心とした基本的な研究を行い、性能の面から、効果的な静穏海域創出の目途が得られた。この静穏海域創出技術を確立するためには、さらに、周辺海域に与える影響を最小限にするため設置に当たっての問題となる浮防波堤によって生ずる反射波の低減方法、並びに安全かつ効果的な海域移動と設置方法等、施工面に関する検討を進める必要がある。本研究は大型浮防波堤による海域静穏化技術の施工に関する技術開発、特に浮防波堤の反射波による異常波高対策及び海域移動と設置方法の検討を行い、大規模な人工島建設に際して静穏化海域の創出を効果的にするとともに、工事用作業船の稼働率確保ならびに経費の節減及び安全性に寄与することを目的とする。

 

 

 

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