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(D)契約状況
従来、オーストラリアは、低船価、短納期、納期の厳守などが第1条件であり、次いで有利な延払いを要求される。
延払い期問は、概ね70%を7年という条件で契約されている。
(E)取引ルート
オーストラリアにおける船舶の主な取引先は、国営のAustralian National Line(ANL)、Broken Hill社、その他内航海運会社などであり、これらの担当者に接触して交渉するのがルートである。
また我が国から輸入に対しては、関税バイロー制度(経済発展のために必要な物資の輸入を促進する必要上、輸入関税を減免する措置)の査定いかんが、輸入者にとって大きく影響するので、交渉経過で海運会社と協力して、関税省に対しバイロー制度の適用を受けるための運動をすることも必要である。

 

(7)競争相手国との競争条件の比較

(A)延払い、船価、品質等条件の比較現在、わが国は品質、納期の点では韓国をはじめ、欧州造船国よりは優位にあり、かつオーストラリア側の信頼を受けているが、船価については円高の影響もあって、これら競争相手国と比べ劣るとされている。
(B)輸出対策
英国および英連邦諸国は、オーストラリア海運界に対し資本および政治的面で強い影響力をもっており、また、相互貿易協定に基づく優遇策として関税面で特恵待遇を受けている。
これに反し、わが国はオーストラリア農牧産品、石炭などの輸入市場の開放、自由化を強く求められており、日本側の輸入障壁の撤廃など新たな対策が必要とされている。

 

 

 

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