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◇CTIF(国際消防技術委員会)会長(英語版P.8)
総裁、そして御来賓、御列席の皆様、まず初めに、リマ市来訪の御招待をいただきましたことに感謝いたしたいと思います。これは私にとって大きな喜びであるとともに、大きな名誉でもあります。
私はこれまで7回、世界義勇消防連盟総会に出席しました。これが8回目、そして最後の総会です。来年7月、私はCTIFの会長、そして世界義勇消防連盟総会への委員会代表の職を辞任いたします。
そこで、世界義勇消防連盟での私の経験について、一言申し述べたいと思います。
今日、ファックス、インターネット、CD−ROMなどにより、数分間で情報を世界中に広めることが可能になっています。ではなぜ我々は、1万マイルも遠くから会議に集まるのでしょうか。もちろん、技術的なことや統計的なことなどは、現代的な通信綱によって素早く集めることができ、電子メールによって、世界全体での質疑応答も数分間で行えます。しかし、何度も申し上げましたように、直接の接触の代わりとなれるものはありません。世界義勇消防連盟総会で私は、多くの昔からの友人に会い、新しい友人をたくさん見つけました。そしてCTIFの会員でない多くの国における火災や応急活動について学びました。これらは、電子メールやインターネットでは得られない知識です。
私は、会話で何度も繰り返し目の当たりに見た義勇消防活動に対する暖かい熟意に大変感銘を受けました。今日、ほとんどの人々が、出世をして金を稼ぎ社会での地位を得ることに汲々としています。したがって、男女を問わず、努力に対する報酬も求めず消防活動に多くの時間を費やす人々がいるということは、極めて珍しいことです。しかも、これは普通の仕事ではなく、重大でかつ命が危険にさらされる作業であるにも関わらず、世界中で数百万人の人々が自発的に義勇消防・救助活動に従事していることに、特に注目したいと思います。公共部門ての財政問題が大きくなり、ボランティア活動がますます重要になっています。我々は、火災救急サービスの効率を保たなければなりません。十分な金銭が得られないとしたら、少ない金でやっていく方法を見付けなければなりません。ここに、ボランティアの重要性があります。われおれのサービスの効率や信頼性は、ボランティアに掛かっていると言っても過言ではないでしょう。
そのことを確認した上で私は、世界の多くの人がもっているボランティアサービスヘの信頼を保つことは、ボランティアたちにとっての義務であるとも言わねばなりません。今日の消防士の仕事は、単にホースを構え配水管を操るだけではありません。技術の非常に進んだ現代世界では、消防士にも、高度な技術が要求されます。ですから、これらの課題に応えるには、すべての消防士が十分な訓練を受けなければなりません。新興国のボランティアによる火災救急サービスのポイントは、訓練にあると私は考えます。職業消防士であっても義勇消防士であっても、火災、危険、作業に変わりはありません。ですから、訓練も同等でなければならないのです。
最後に、8回の総会に御招待していただきましたことに対し、世界義勇消防連盟にお礼を申し上げます。世界中の消防士の皆さんと共に過ごすことができ、非常に楽しく興味深いひとときでした。世界義男消防連盟の今後の御活躍をお祈り申し上げます。また、世界義勇消防連盟とCTIFの協力が将来も続くことを願っております。
CTIF、そして我国デンマークの義勇消防連盟を代表して、皆様の御健闘をお祈りいたいます。そして世界の全ての義勇消防士の方々の、栄光ある輝かしい将来を願って、私の世界義勇消防連盟への最後の言葉とさせていただきます。

 

1996年10月1日
国際消防技術委員会
会長 グンナー・ハウレム

 

○第4回アメリカ地域総会日程表(英語版P.9)

 

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