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世界義勇消防連盟結成の経過と会議開催について

 

1 消防は、国民の生命、身体及び財産を各種の災害から守るため、日夜活動を続けております。
この消防に従事する人々の中には、職業を持ちながら「わが郷土はわが手で守ろう」という、郷土愛護の精神に基づいて献身的に消防活動を続けている義勇消防団員が数多く存在しています。
しかしながら、当時は世界にこのような数多くの義勇消防組織がありながら、相互の国際交流はほとんど行われていない実情にありました。
そこで各国で奉仕活動を続ける義勇消防団員の職業は各種各層にわたっていても、人の生命、身体、財産の安全の確保という共通の使命感に生きる各国の義勇消防団員の間で国際交流を深めることは、各国消防の発展及び相互理解と親善促進に寄与するところが大きいとして、国際的義勇消防組織の発足が計画されました。

 

2 日本消防協会では、1980年11月、東京後楽園スタジアムにおいて、日本の近代消防100年を記念し、4万人の参加者による式典を開催しました。この式典には日本国内から4万人の関係者が参加しましたが、その際に、海外から多数の義勇消防の代表者を招待し、連盟設立についての意見交換を行ったところ、早急な実現を求めている国々が非常に多いことを確認しました。

 

3 そして、1982年5月には、このような経過を経て、日本消防協会において国際親善と互恵互助の原則による「世界義勇消防連盟(Federation of World Volunteer Firefighters Associations略称 F.W.V.F.A.)」結成の具体的構想案を取りまとめ、駐日各国大公使館の協力を得て、各国の義勇消防組織に関する紹介を行い、組織づくりを始めました。

 

4 世界義勇消防連盟結成会議は、1982年12月1日、日本国東京都の笹川記念会館において開催されました。この会議には、アジア州、アフリカ州、南北アメリカ州、ヨーロッパ州及び太平洋州のすべての地域の義勇消防組織に招請状を送り、17か国の義勇消防組織の代表者42名が参加しました。なお、この会議には日本の中曽根総理大臣が出席された他、レーガン米大統領からもメッセージが届けられました。

 

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