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II.方法

A.要因分析

全大腸内視鏡(以下CF)経験者109名、未経験者132名を対剥こ住民アンケートを行った。調査期間は平成7年7月末から9月末までとし、CF経験者については平成8年7月を起点とし過去3年間に当院ないし他医でCFを施行された者を対象とした。

B.大腸精査方法

前処置は非吸収性、非分泌性の特殊組成電解質液(以下PEG)1;による経口洗腸法により行い、CFはサブマリン法を原則として採用した。サブマリン法は関岡ら2-5;の原法に従った。前処置、サブマリン法については表1に要約した。
従来法とサブマリン法の比較のための統計処理に際し、比率の検定についてはカイ2乗検定を、平均値の差の検定についてはWelchのt検定を適用した。統計学的に危険率5%をもって有意とした。

III.結果

A.大腸内視鏡に関するアンケート結果(表2、図2)

CF経験者では、大腸挿入時の疹痛および前処置の不快感を訴えたものが合計で6割に達した。前処置に対する不快感としては、PEG服用時の嘔気/嘔吐、頻回の水様便に関するものが多かった。また、大腸精査の結果大腸ポリペクトミーを施行された患者では、同様の前処置/検査を2度にわたって受けること、数日の入院を要することの煩わしさを訴えた者も少なからずみられた。
CF未経験者については、疹痛を伴う検査であるとの認識を有することから精査受診をためらう者が7割近くみられた。

B.大腸精査受診率

サブマりン法導入のほか、前処置の軽減、入院期間の短縮措置等の導入と前後して、当院でのCF件数の漸増、検診陽性者の精査受診率の向上が認められた(表3、図3)。また、CFにおける盲腸到達率も従来と比して改善がみられた(図4)。サブマリン法導入後のアンケート調査の結果でも大腸挿入時の疹痛の訴えは大幅に軽減した(図5、図6)。一方盲腸到達時間は従来と比して延長した(図7)。

lV.考案

平成4年度の老人健康保険法改正により免疫学的便潜血反応を用いた大腸癌検診は広く普及するにいたった。しかし、便潜血陽性者の大腸精査受診率の

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