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中心とする第3次産業で、1年間に島を訪れる観光客は約5万人を数える。県庁所在地である那覇市への連絡は1日2〜3便の高速船(所要時間約70分)と1日1便の定期船(同約150分)の航路が中心である。

県立座間味診療所は座間味島にある唯一の医療機関で、1日平均15〜16名の外来患者が受診する。入院設備はなく、職員は医師、看護婦、事務貝が各1名という構成である。診療所にある医療機器は、単純X線撮影及び現像装置、超音波、12誘導心電図、除細動器付き心電図モニター、バルスオキシメーター、ネブライザーなどで、自動血球計算装置や電解質、生化学などの検査機器も備えられている。上部内視鏡がないことを除けば県立診療所としては標準的な施設整備状況であるといえる。

紹介患者は、主に船舶を使って沖縄本島に渡るが、救急搬送の必要がある患者が発生した場含は、陸上自衛隊那覇基地のヘリコプターを利用して搬送する。その所要時間は、ヘリを要請してから患者が那覇に着くまで平均1時間38分である。

III.対象、方法

期間中に当診療所より他の医療機関へ紹介された106例の紹介状やその後の診療記録をもとに、患者の年齢、住所、診療科、診療目的、ヘリコプターによる救急搬送患者とその緊急度、そして返信の有無などについて調査をした。

IV.結果

A.紹介率

期間中に当診療所を受診した総患者数5190例のうち他の医療機関への紹介が必要とされた患者は106例で、紹介率は2.04%であった。

B.患者の年齢分布、住所区分

紹介患者の年齢分布を表に掲げた(図2)。
小児や若年者、そして70歳以上の高齢者に多い傾向が見られた。男女比では男61例、女45例であった。また、106例のうち島内在住者は76例、島外からの患者が30例であった。島外からの患者のうち観光目的で訪れた人は18例で紹介患者全体の17%を占めた。

 

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