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IV.おわりに

現在、当診療所では18名の在宅患者を定期的に往診しているが、その多くが1人暮らしや老夫婦だけの家庭で、介護者はすでに相当な負担となってきている。今後患者のターミナルケアの段階では、介護上の問題が一層際立ってくるに違いない。

新ゴールドプランのもとに、福祉関連施設やマンパワーの養成の目標は高く掲げられているが、都市部と違い郡部の過疎地や離島などでは、サービスの整備はまだまだ遅れている。現在、介護保険制度のサービス供給主体を市町村にするという方向が打ち出されてきているが、自治体間の格差が医療や教育の地域差をもたらしている現状を考えるならば、介護にも同じ様な地域格差が生じることが充分予想される。在宅で安らかな死を迎えるために、医療の面でも介護福祉の面でも、地域が自ら努力すべき課題もあるが、基本的人権としての一定水準の社会保障は、国や県レベルの公的な施策によって確保されなければならないと考える。

文献

1)遠藤弘良:在宅とは:老化と疾患18:853・858.1995.
2)中山壽比古:長期療養老年者のQuality of Life:老化と疾患:7:1033・1039.1994.
3)古和久幸:神経疾患の在宅医療:老化と疾患:81878・883.1995.
4)大川弥生、上田敏:廃用症候群:老化と疾患171287・291.1994.
5)湊健児:一離島診における往診医療の実態と今後の課題:へき地医療の体験に基づく学術論文集:No2:40・46.1994,
6)浜村明徳:離島における脳卒中の地域リハビリテーション:リハビリテーション医学:32121・27.1995.

(大瀬戸町国民健康保険松島診療所 〒857-25 長崎県西彼杵郡大瀬戸町松島内郷288)


 

 

 

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