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研究と報告

遺族のケアについて

−死別体験者の声から学んだこと*1

森本裕子*2 鈴木典子*2 井島彩*2
松島たつ子*2 西立野研二*2 日野原重明*2

 

はじめに
当院では、遺族へのケアの1つとして死別後1年間カードや葉書の送付、また追悼式を行ってきた。しかし、それらが遺族の意に添ったものとなっているかどうか振り返ることが必要ではと考え、今回の調査を行った。
当院でのビリーブメントケアの実際
まず、どのようなケアを行っているかを説明する。
当院に入院された患者の遺族に死別1か月後、6か月後、1年後にカード、葉書を送付する。カードはボランティアによって作られた手作りのカード・葉書を使用し、差出人は「スタッフ一同」とするが、記入はプライマリ看護婦が行う。看護婦が書くことにより、より心のこもったものとなり、またスタッフ自身のケアにもなっていると思われる。
追悼式(メモリアルサービス)は毎年秋に行い、過去1年間に亡くなられた患者の遺族を当院に招待する。第一部の追悼式の後、茶話会を持ちスタッフや遺族同士での歓談の場を設けている。
これまでのケアへの反応は下記に示すとおりである。

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*1Care for the Bereaved Families −Learn from the Stories of the Bereave People
*2ピースハウス病院
第20回死の臨床研究会年次大会、1996年11月

 

 

 

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