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いるといった場合には、どういう運動処方をしたらいいかといったような具体的な情報提供はお互いにしあう。つまり、チーム医療ということは、自分が持っている国家資格以外の専門知識の共有が重要になるわけです。
医療経済も無関心ではいられない問題です。日本では糖尿病の治療に使われている医療費は1995年の数字で5,700億円といわれています。あと5年、10年したら、糖尿病治療に関しては医療費が破産するのではないかといわれております。その中でいかに効率よく患者さんを教育して-実際、私どもも保険料を払っているわけですから-効率よくお金が使われていくかをチェックしておく責任があります。糖尿病性の合併症として、たとえば糖尿病腎症で透析を受けるようになると、その人が生きていくために使われる医療費は1年間で1,500万円といわれています。ですから、その方がたとえば5年生きたとすれば莫大な金額になるわけです。そういった患者さんがいま全国で14万9,000人いるといわれています。すべての方が糖尿病というわけではないのですが、透析導入の3分の1以上は糖尿病ですので、かなりの医療費がそこに使われてい
るということになります。
では、それをどのように食い止めるかというと、やはり初期における糖尿病教育が一番たいせつということになるわけです。それには動機づけが欠かせません。

 

日本での糖尿病療養指導士制度設立の動向

先ほども触れましたが、日本でもアメリカの糖尿病教育士にならって専門職の認定に取り組み始めました。組織的には、日本糖尿病学会の中に糖尿病療養指導士検討委員会というのがありますし、また、日本糖尿

 

 

 

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