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「要指導者」への対応

1.基本健康診査項目から危険因子を探る

a)BMl
ケアの必要ある例を拾い上げていくための第1の条件は、肥満の問題から入っていくことです。肥満の判定はBMI(体重kg÷身長m÷身長m=25以上)で見ていくのがいいでしょう。標準値が22ですから、22プラス・マイナス2が適正な体重の範囲だと考えていいと思います。25以上は肥満、30以上は高度の肥満、35以上は超高度肥満です。要指導と判定された人でBMI指数が25を超えているような人は、積極的な指導を要するケアの対象とすべきでしょう。
次に既往歴から糖尿病を発見した時点のBMIを調べた結果、91例の平均値は26でした。空腹時血糖140以上、随時血糖200以上のいずれかを満足する状態で見つけた糖尿病の方の過去を見てみると、6年前に最高の体重を示し、そのときのBMIは28、明らかに25以上でした。さらに20歳までさかのぼりますと、そのときのBMIは22.2で標準値だったのです。標準値だった人たちがここまで体重をふやして、平均で6年を経たところで糖尿病が見つかった。以後、積極的に治療を行って若干揺り戻しがあったにしても、減量して22まで戻っています。多くの中高年の糖尿病発症者はこのような経過を呈していることを念頭に置いて、要指導と判定した人たちと接していただきたいのです。このレベルは空腹時で140よりも軽いレベルですから、おそらく体重、肥満の程度から見れば軽症な時期を診断しているということがいえるかと患います。

 

b)上体肥満(内臓脂肪型肥満)
さらに、その太り方の中身はどうなっているかということについての

 

 

 

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