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第4章 地域の国際化における国際機関誘致の現状と課題

 

? 国際機関誘致の現状

 

地方公共団体の国際化施策の多様化に伴い、国際機関を誘致しようとする機運あるいは具体的な動きが高まってきている。事務局が都道府県・政令指定都市を対象として行ったアンケートにおいても、現在区域内に国際機関があると回答した団体が9団体、現在区域内に国際機関はないが過去誘致しようと思ったことがある団体が8団体、現在区域内に国際機関はないが今後誘致しようとする計画がある団体が20団体と、実に63%の団体が国際機関の誘致に関して何らかのアクションを起こしている。
これらの団体は、地域レベルの国際化施策の推進や地域レベルの国際協力・貢献の推進の一環として、あるいは研究ノウハウの獲得又は国際的ネットワークの構築等自治体の専門分野における行政能力の強化を目的として国際機関を誘致することを考えたものであるが、地域住民の国際感覚の涵養、職員の意識改革あるいは行政能力の向上、研究分野における地元産業との連携・振興の促進等の効果や、副次的にはまちのイメージアップという効果も期待している。しかしながら、国際機関の誘致が地域の活性化や振興という観点から当初想定していたとおりの効果を果たして上げているのかという点については、必ずしも十分な検証がなされていない。
さて、これまで紹介してきた我が国の地方公共団体による国際機関誘致の事例を地方公共団体に対するアンケート調査を基にまとめてみると次表のようになる。
なお、この表は、あくまでも地方公共団体の側からみた誘致事例の整理であり、当該国際機関や国の関係省庁の意見は反映されていない。

 

 

 

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