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は選択制として、1972年のレベニュー・シェアリング法の中で規定されていたが、実績はあまりあがらなかった。)第二にEUにおける付加価値税の統一化など先進諸国における企業課税の調和への動きがアメリカの国民や企業レベルでも関心事になっていることが議論の推進力となりうる。
前述のように企業にとっては複数の州による異なった課税べースの算出、さらに州際調整の不十分さからくる二重課税、三重課税への反発などがあり、課税べース統一化は魅力ある論点であろう。また、州政府からもテキサス州やアラスカ州に法人所得が留保されることからくる税収のロスが回避できる。
Strauss[1992]は各州の州法人所得税の税収を名目税率で除して課税べースを推計している。その結果によると、1983年(暦年)の州法人所得税の課税べースは連邦所得税の課税べース2,970億ドル(法人純所得)に対して2,010億ドルで68%、1985年が同じく3,640億ドルに対して2,550億ドルで70%、そして1987年が4,650億ドルに対して3,000億ドルで65%であった。1980年代における州所得税収の連邦法人所得税課税べースに対する比率は4.4〜5.0%となることから、連邦法人所得税の課税べースへの統一化は実効税率をこのレベルまで引き下げることを可能にする。この水準は各州の現行の名目税率よりも低い。
州所得税の課税べースの州間格差の原因は、?申告単位が単一制か複数制かの差異、?課税所得の差異、?所得のアロケーション・アポーションメント要素の差異、?投資税額控除などの差異、といったものであるが、州法人所得税の徴税を連邦レベルで行うことによって、これらの格差をある程度、克服できる。それは、州政府にとって統一化された法人所得に州独自の税率を課して必要な財源を確保できるという利点を、企業側にとっては納税協力費の削減と所得の“100%のみ”が課税され、複数の州による二重課税、三重課税が避けられるという利点を保証する。
州法人所得税の課税べースを連邦法人所得税のそれに統一化することは、連邦法人所得税の課税所得の景気弾力性が大きく、税収が不安定になるという問題も指摘されている。その原因としては、外国税額控除の予測困難性、経常損失の繰越期間が長期に及ぶこと、さらにかっての投資税額控除や、その他の税額控除、加速度償却制度などが考えられるが、これらは1986年のレーガン税制改革で大幅に整理されており、その意味で税収の不安定要因はかなり小さくなっていると考えられよう。
しかし、前にもふれたように、課税べースを連邦法人所得税に統一することの最大の問題は連邦制度の枠の中で、個々の州の課権の調整が企業負担や短期的な州税収確保の視点にどれだけ優先されるかであろう。さらに、州レベルでの税率の裁量は残されるとはいえ、現在、個々の州が有する均衡予算規定への影響も問題となる。したがって、その技術的な実現可能性はともかくも、州法人所得税の課税べース統一化をUDITPAのオルタナティブとして論ずるのは未だ時期尚早の感が強い。
(注1)須田徹『アメリカの税法』改訂3版、1991年、298頁参照
(注2)須田徹、前掲書、299頁参照
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