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入院までの経過:8月29日21時ごろ、自宅のトイレにて転倒するもそのまま臥床して様子をみる。翌朝になっても腰痛が消失せず、救急車にて来院、腰椎X−Pの結果、第1腰椎圧迫骨折と診断され、8月30日入院となる。
治療方針:2週間床上安静、自力で体幹をねじらないで側臥位可、起坐位禁止、3週間目よりコルセット装着にて坐位→歩行可。
受け持ち時の患者の状態:学生は9月1日(受傷後3日目)より患者の受け持ちとなった。患者は体動時に腰痛を訴えたが、鎮痛剤は希望せず使用しなかった。安静時には痛みの訴えはなかった。また下肢麻痺、知覚障害はともにみられなかった。
9月1日背部清拭時、仙骨部に3×3cmの発赤を発見した患者は「動くと腰が痛いので動かなかった」と訴えた。全身の皮層は乾燥気味で、患者は掻痒感を訴えた。排泄はベット上で看護婦の介助により尿器、便器を使用していた。患者は「今まで自分で何でもしていたのに、下の世話まで人にしてもらうのが情けない」と訴えた。食事は介助にて側臥位とし自力で摂取できた。総義歯が合わず、かたい物が食べられないので全粥食が出ていた。
バイタルサイン1体温36.8℃ 脈拍数72回/分呼 吸数12回/分(8月31日)血圧158/86mmhgALB2.8mg/dL
V場面設定
実習1日目、看護婦と一緒に側臥位にて蒸しタオルで背部清拭をした。実習2日目の朝、学生は、「患者の安楽を考慮して全身清拭ができる」を目標とし「昨日は蒸しタオルのみの清拭だったので、今日はできれば石けんを使用して全身清拭をする側臥位にした時に褥創の観察もする」と行動計画を発表した。
VI 指導案作成
1. 全身清拭における実習目標(GIO)
1)老年期にある受け持ち患者に及ぼす影響を身体的、精神的、社会的側面から総合的にとらえることができる。
2)疾患が及ぼすセルフケア不足を見出すことができる。
3)全身の清潔の援助について受け持ち患者に適した方法で実施することができる。
4)受け持ち患者の個別性をとらえて、問題点抽出から実施、評価までの一連の看護過程の展開ができる。
2.全身清拭における行動目標(SBO)
1)清潔の援助に必要な情報の収録ができる。
2)清潔の援助の目的・必要性がわかる。
3)適切な全身清拭の方法を選択し、具体的に援助計画が立案できる。

 

 

 

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