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4. 皮膚の汚れの成分と感染防止について
1)垢とは、次々に再生されていく表皮の角質層が剥脱したものに皮脂・汗・又は外界から皮膚表面に付着した挨などが混合したものをいう。
2)表皮の一部の角膚は、皮脂・汗と共に酸性の表皮膜を作り、有害徴生物の繁殖を防ぐ。
3)皮膚の常在菌(表皮ブドウ球菌、他の細菌・真菌)は外界から病原菌が侵入しようとするのを防いでいるが、皮膚の抵抗力は、汚れ・乾燥・酸性度の低下・創傷などによって減弱する。又、全身的な疾患や衰弱などによる免疫力の低下とあいまって、感染を起こしやすくなる。
・日和見感染、毛包炎、廊など
5. 患者の爽快感及び闘病意欲について
清潔に身づくろいし、清潔な衣服を着用することは、単に生理的な意義ばかりでなく、心理的満足が得られ、品位やその人らしさが保持され、円滑な人間関係や回復意欲及び自立などの上に大きな影響を与える。
6. 血液・リンパ液の循環、代謝及び祷瘡予防について
皮膚を摩擦すると、皮膚血管が拡張し、反射的に深部の血管も拡張して血行を促進し、疲労物質(乳酸化)や病的産物(痰疾・膿・浸出液など)の排出が効果的に行なわれる。同時に神経末端を刺激する。リンパの循環や代謝が促進され、食欲・睡眠・排便・褥瘡の予防などに良い影響をもたらし、疲労を回復させる。

 

 

 

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