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○ノルウェー沿岸警備隊

HQ Defence Command Norway
OSLOmil/Huseby
N−00160SLO
Tel+47−22498977
A.H.Klepsvik司令官
ArildII Skram副長
1. 概要
(1) ノルウェーのコーストガード(RNCG:Royal Norwegian Coast Guard)は国防軍の一部として組織され、経済水域での漁業秩序維持等を主目的とする比較的小規模な組織である。海上保安庁や米国コーストガードのように、海上でのあらゆる活動に対してその安全・秩序の維持を一元的に所掌している機関とは、その所掌範囲、規模、組織形態等が大きく異なる。
(2) 軍に併設されるこのタイプの組織の特徴は、限定された分野の業務を実施するためには組織運営上のコスト効率が高い点であり、軍に併設することにより既にある軍の指揮・通信系統、補給・支振施設(修理施設、航空基地)、教育・訓練施設等が活用できることである。さらに、軍隊であることから、戦時その他の危機の際の勢力としても有効に活用できる体制となっている。
(3) 他方、ノルウェーには全般的な海上における安全、秩序の維持(safety,security)を一元的に所掌する組織はなく、15程度の省庁が所掌又は関与している状況である。
2. 設立の背景
世界的な200海里排他的経済水域及び200海里漁業水域の設定の動きで、それまで「公海」の一部だった非常に広範囲な海域の資源が各国の管理下に置かれるようになった。
ノルウェーでは、こうした変化に対応するため、1974年4月26日、当時のソルヴァルド・ストルテンベルグ国防長官を委員長とする「漁業・大陸棚委員会」を設置して、政府関係機関の役割の見直しを行い、翌1975年6月27日、同委員会は、「これまで海軍が行ってきた漁業監視業務等を統合してコーストガードとして独立させるべき。」との勧告を行った。
その後、この勧告は政府及び国会に承認され、1977年4月1日、コーストガードが法律により創設された。
これに伴い、従来から漁業監視業務を所掌してきた海軍の漁業保護部(Fishery Protection Department)が改組され、また、漁業監視業務に従事していた船舶に加え、海軍の大型船の一部がコーストガード勢力に充てられ、勢力的にも拡充された。

 

 

 

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