日本財団 図書館

共通ヘッダを読みとばす


Top > 技術 > 海洋工学.船舶工学.兵器 > 成果物情報

「船と模型の世界」展示解説書

 事業名 海事知識の普及啓蒙活動
 団体名 日本海事科学振興財団 注目度注目度5


 

古代船の復元

日本海事史学会会長
石井謙治
古代の船を復元することはむずかしい。古い建築ではやっているのだから、船だってできそうなものだと思われるだろうが、もともと消耗の早い船のこと、肝心の遺物が極めて少ない。これが建築の場合と根本的に違うところで、造船技術史が負っている宿命ともいうべきものである。だから占い建造物には事欠かない建築と、江戸時代はおろか明治・大正の和船すらのこっていない船とでは、どだい勝負にも何もならないのである。
一般に、厳密な意味での復元が成立するには、少なくとも寸法・構造・様式といった三つの条件が揃わなくてはならない。ところが船の場合だと、この三つが曲りなりにも揃うのは、図面や雛形や寸法史料などが豊富にあって研究が進んでいる江戸時代だけで、古代や中世の船では手も足もでないというのが実情である。
たとえば遣唐使船だが、あまりにも有名なためか、一般には容易に復元できると思われているらしい。ところが我々船舶史研究者が乏しい史料から考察した結果は、それが復元に結びつくような確実なものは何もないのである。したがって、映画関係の人が遣唐使船を復元したいと相談に来られても、期待に反する答えしかできない。それでは困ると泣きつかれると、一見そうらしく見えるものでごまかす方法を教えることになる。その結果が、世間では専門家が考証したということで、遣唐使船を復元したかのような誤解を生じ、一部マスコミの話題になったりする。むろん好意的な報道ではあるにしても、そうした誤報を生む裏には、復元ということをイージーに考える一般的な風潮がひそんでいることは否定すべくもないであろう。

025-1.gif

025-2.gif

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






サイトに関するご意見・ご質問・お問合せ   サイトマップ   個人情報保護

日本財団会長笹川陽平ブログはこちら



ランキング
注目度とは?
成果物アクセスランキング
239位
(31,428成果物中)

成果物アクセス数
44,813

集計期間:成果物公開〜現在
更新日: 2019年8月10日

関連する他の成果物

1.「船と模型の世界」特別展開催報告書
2.「海事知識の普及啓蒙活動」の報告書
3.輸出船市場調査研究報告書 エリア1(シンガポール・インドネシア)
  [ 同じカテゴリの成果物 ]


アンケートにご協力
御願いします

この成果物は
お役に立ちましたか?


とても役に立った
まあまあ
普通
いまいち
全く役に立たなかった


この成果物をどのような
目的でご覧になりましたか?


レポート等の作成の
参考資料として
研究の一助として
関係者として参照した
興味があったので
間違って辿り着いただけ


ご意見・ご感想

ここで入力されたご質問・資料請求には、ご回答できません。






その他・お問い合わせ
ご質問は こちら から