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の住民参加組織(各区役所に行政委員会として附置されていて、それはほとんど日本から見れば住民参加組織とは思えないような非常に政治性の強い組織であり、メンバーは選挙で選出される)の選挙に、外国人を参加させてもいいかどうかという訴訟である。SPD(社会民主党)が与党のブレーメン、ハンブルク、シュレスヴィヒ=ホルシュタインの各州が外国人を参加させる立法を行ったことに対して、連邦レベルのCDU(キリスト教民主同盟)、保守派は違憲訴訟を起こした。この訴訟において、SPDサイドは外国人を参加させるのは違憲ではない、自治体とは本来の国家権力の担い手ではなく、自生的な自治団体であるという主張をした。実はこれは昔SPDが命をかけて闘った保守派の見解であり、100年たって全然違ったところで団体自治論がまた息を吹き返したと言える。結局連邦憲法裁判所はこの立場をとらなかったが、団体自治的な自治体の性格というのが繰り返し問題になってくるのは興味深い。

イ 大区役所主義

ドイツでも日本でも、人口30万或いは50万以上の都市には、その区域をさらに区分して行政単位を置く傾向がある。これは大都市における広域行政の要請と、身近な行政需要への対応とのバランスの帰結であり、その典型的かつ制度化された例が政令指定都市の区役所制度であろう。この行政単位に設置される支所(政令指定都市の場合は区役所)は、組織的に総合的な機能を持つ傾向がある。政令指定都市に言ういわゆる大区役所主義は、まさしくその典型であり、区役所といえば昔は機能も非常に限られ、人事配置上も重視されていなかったが、最近の政令市ではこれにいろいろな機能を持たせ、人材も「やり手」が配置されるようになってきた。大区役所主義とは、かつて区役所に土木事務所と福祉事務所を併せたものを言うのが普通だったが、今は保健所を含めたものを大区役所主義と言うようである。また世田谷区の「総合支所」もこれとよく似ている。ドイツでも、ベルリン市やハンブルク市は、区役所の組織が、日本でも

 

 

 

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