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イ 24時間巡回型ホームヘルプサービス(平成9年度から厚生省の補助事業)

24時間の短時間・巡回型ケアを行うことによって、施設入所に相当する状態の要介護者でも在宅で介護することができ、入所需要を減らすことができる。効率的・効果的なものとして実施を希望する市町村が多い。福岡では市とコムスンの先駆的な取り組みがあり、最近は全国の比較的大きな都市で単独事業として導入する取り組みが見られ、平成9年度からは正式に厚生省のホームヘルプサービスの補助対象に加えられている。

ウ 土日のデイサービス、ヘルパー派遣(あるいは夜間)

デイサービスやヘルパー派遣は月曜から金曜日の9時〜5時を基本としている。休日や夜間にもサービスを提供して欲しいという声が大きい。従来から市町村が単発的に独自の事業として行う例があったが、平成8年度から厚生省が休日のデイサービスの補助事業(ホリデイサービス支援事業)を開始した。

(3)スウェーデンの事例

ルンド市(人口9万人)では、単独事業で老人ホーム(90人分)を建てた。この「モルテンスルンド老人ホーム」は80年代に建てられたスウェーデンで唯一の老人ホームである。60年代半ばから70年代にかけて、スウェーデン政府は在宅福祉の充実に力を入れようとしたために老人ホームヘの補助金をストップしていた。また、老人ホームには救貧的なイメージがあり、一般にいやがられていた。しかし、ルンド市にはレベルの高い有料老人ホームがあり、市民に好評だったために、他地域に比べて老人ホーム嫌いは少なかった。また、市民が老人ホームの建設を望んだ。そこで、ルンド市は市の裁量で単独事業で老人ホームを建設し、後にこれが小規模老人ホームの火付け役になった。痴呆性老人用グループホームもモダーラ市(人口3万人)の「バルツァゴーデン」で始まり、それが全国展開に結びついた。このように新しい制度のきっかけとなるのは、基礎自治体での実験によ

 

 

 

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