日本財団 図書館


  第4章 観光・文化拠点モデル地区の整備方向

1.観光・文化拠点モデル地区の現状

(1)大谷地区の位置、状況

 大谷地区は、JR宇都宮駅から西北西約8kmに位置し、東京駅から2時間以内に到達できる。大谷地区のある宇都宮市は北関東を代表する中核市であり、水戸、前橋、箱根三島とほぼ同じ東京から100km圏に位置するが、最も人口規模の大きい県都である。背後には世界から訪れる人々にとっての観光のメッカ日光や、中禅寺湖など広大な日光国立公園が控えている。
 宇都宮県立自然公園の一部をなす大谷地区は、大谷石による自然形態や、露天堀から生まれた奇観をなし、独特な美しさを見せている。その地下には世界でも例をみない採掘からできた巨大な空洞空間が点在している。一部の地下空間はその自然冷気性や遮蔽性、恒温性などを活かし利用されてきたが、現在では巨大な物量感の異質性、神秘性を活かして、各種芸術の表現の場として、またイベント活動の場として使用されている。しかし、未利用の地下空間や、地上空間がまだ存在し、芸術文化の表現の場として潜在力をもった地区である。また同地区には特別史跡大谷観音、大谷寺洞穴遺跡、多気不動尊などがあり、さらに、日本ロマンチック街道の起点ともなっている。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION