日本財団 図書館


2玄海諸島の共通課題

(1)基本的課題

ア 21世紀の日本列島の中における位置づけと島間連携軸の形成

 21世紀は海の時代ともいわれ、島の果たす役割は大きくなる。そのなかで、日本海の島喚軸、あるいは対馬から南西諸島を経て沖縄を結ぶ西南日本島喚軸を形成する一つに玄海諸島も位置づけられ、これらの島々との連携が重要となる。
 また、国際的には“古代文化邪馬台国”の流れのなかで大陸との交流をいかに図っていくかが大きなポイントとなる。

イ 玄海諸島間の交流作り

 交通システムの問題もあるが、玄海諸島としての日常的なつながりが全く形成されておらず、まずは住民相互の交流、あるいは産業団体間での交流など、人的交流や情報の交流から始めていく必要がある。

ウ 諸島間航路の形成

 全諸島問の巡回航路は難しいが、例えば小川島と加唐島といった近接していて、便数も同じ航路から始めていく。また、季節の限定就航でも玄海諸島7島を巡る航路を運航し、連帯意識の醸成を図る必要がある。
 

エ 環海性の島である条件を生かしたエコミュージアムとしての整備

 島という立地そのものが、潜在的にはエコミューシアムとしての環境条件を有しており、その優れた環境のなかで身近な集落環境の整備及び日常生活の活性化を図っていくことが必要である。
 日常生活の活性化を図るには、例えば鳥ならではの衣装の工夫、あるいは、山や海の幸をいかした“島料理”の開発、あるいは、“島人は海の遊びのリーダーになれる”といった、発想転換を図る必要がある。
 また、漁村集落特有の高密度集落を形成し、個々の住宅水準はかなり高いが、集落全体としての環境は決して整備されているとはいえない。また、休耕地も荒地化しており、島全体の環境も荒廃している印象があり、“きれいな島づくり”への取り組みが必要である。
 

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION