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 や委員現地評価をもとにした、今後の島おこしや産業開発の担い手の可能性は、図表38のように判断される。
 また、資本形成については島の体力が弱く、国や県の各種支援・補助事業の導入を図ることは必要であるが、漁協の参画や区(自治会)の事業としての展開により、ある程度の資本力の蓄積を図ることは可能と思われる。
 技術面については、島に残る伝統的な技術の見直しとともに、例えばイルカの会のメンバーの「陶芸の技術」、あるいはまだ個人的展開ではあるが実験的に取り組まれている「アワビの養殖技術」など、今後は個々の技術を玄海諸島全体で活用していく仕組みを考えることも重要である。
 情報については、現在の社会的な高度情報化の流れは島においては望ましい動きであり、むしろ島だからこそ積極的に取り組む必要もある。すでに、インターネットなどのコンピューター・ネットワークによって、島から世界レベルとも直接的に情報交換ができる時代となりつつある。
 また一方、「フェイス・トゥ・フェイス」の情報交流も重要であり、直接市場で消費者に訴え・交流を促進する各種イベントの展開もあわせて行っていく必要がある。
 以上、島内住民を軸に担い手の可能性をみてきたが、当然島外の支援を取りつけたり、連携を図っていくことが重要であり、例えば佐賀大学の「海浜台地生物生産研究センター」や県の「栽培漁業センター」との連携などのほか、民間企業やマスメディアを含め、多彩なネットワークづくりが望まれる。
 

 

 

 

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